大学時代の研究テーマ紹介


1. 概要
 二重突極構造を有するリラクタンスモータ(スイッチトリラクタンスモータ。以下、SRモータと略記)は、その構造が簡単でかつ頑健なため高速回転に適し、耐環境性に優れている。また、他のモータに比べてコストが安いなどの特徴がある。
 しかし、SRモータはその二重突極構造のために、インダクタンスの空隙分布に空間高調波を含み、それに起因して
トルクリプル が発生する。トルクリプルは軸振動や騒音の原因となり好ましくない。
 本研究では、SRモータの極幅の組み合わせ、極形状の違い、及び
巻線の巻き方 の違いがインダクタンス分布特性及びトルク分布特性に及ぼす影響を、 有限要素法を用いて解析し、 トルクリプルの軽減に適した極幅の組み合わせ及び極形状、 駆動方法について検討している。

2. 現在までの状況
全節巻SRモ−タによって、短節巻SRモ−タの平均トルク減少は解決できた。しかし、相互インダクタンスを有限要素法からどのようにして求めるかが問題となっている。短節巻のようには単純ではないのだ。僕の頭の中では一応答えは出ているが・・・。一応の評価として、磁化曲線(φ/NI軌跡) からある一定区間での平均トルクを求めてみました。 結果、方形波駆動が最も大きなトルクが得られ、ユニポーラがこれに続くが、バイポーラ駆動では 大きな起磁力の範囲で飽和が厳しく短節巻のユニポーラに負けるということが分かりました。しかし、巻線の長さと通電区間から求めた銅損を一定にする条件においては、全節巻ユニポーラ駆動がわずかながら短節巻を上回っただけで、両者に違いは余りでなかった
 実機もだいぶ前からきて基礎的な特性を測定中です。短節巻SRMの効率が結構良いのには驚いています。
 
全く新しいSRモ−タも検討しました。これを使えば、定電流駆動および3相正弦波電流駆動、 どちらに対しても容易にトルクリプルを減少できるのではないかと考えています。
 最近ネタとしては、トルクの計算方法について。飽和領域ではマクスウェルの応力から直接計算するのと、インダクタンスの傾きから計算するのとでは値が異なってきます。よって、インダクタンスの波形そのものを議論することはできません。
3年間の集大成である
修論は何とか書きあげました。ギリギリセーフです。




武田先生と森本先生には貴重なアドバイス、真田先生には有限要素法全般で、石川先生には実験関係や講座生活で大変お世話になりました。また、先輩の比田さん、後輩の大塚くん、兼田さん、寺西くんどうもありがとうございました。

現在SRモータの研究をしている皆様、あとはよろしくお願いします。


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